雁行(がんこう)って?
日本の夏は湿度が高く暮らしにくかった。
日本独特の建築方法として、建物をずらしてギザギザ型にして 風通しと採光を改善しました。雁行型と呼ばれています。
理論検証 雁行(がんこう) 通風と採光 |
プロジェクトが始まった初期に 色々な理論を本やネットで調べました。今回は通風と採光を改善した「雁行型建築」について調べました。調べたことを 下に書きます。 |
上の図は 京都の二条城の二の丸御殿です。典型的な雁行型の建築です。
このような建物を「雁行型建築」と呼ばれています。 鳥の雁(ガン)が飛ぶときに 「への字型」に編隊を組んで飛ぶのに似ているので「雁行型」と名前がつきました。
上の写真は鶴が雁行している様子です。このような形がグループで飛ぶときに、気流の関係で楽に飛べるみたいです。
雁行型建築のメリット
「風通し」と「採光」に有利
図のAの普通の建て方の場合、 図の左右方向の 風通しと採光がしにくい。
図のBの雁行型の建物は 部屋をずらすことで左右方向の風通しと採光を改善している。
日本は夏が暑く、湿度も高いので、風通しの良い住宅が望まれた。伝統的な建物は、敷地面積に余裕がある場合、雁行型を取り入れた。
浄福寺幼稚園 旧園舎の問題点
上の図は 新築以前の浄福寺幼稚園のB棟の4つの保育室です。
広大な敷地の浄福寺幼稚園ですが、 わかば組とすみれ組の間には通路がとれませんでした。
旧園舎では すみれ組保育室は 他の3っつの保育室と比べて 少し風通しが悪く、少し暗い部屋でした。
新園舎の改善点
園舎を新築した時に すみれ組・わかば組の保育室を「雁行型」にしました。
写真の3つの育室には 総て面積は一緒です。 (幼稚園の保育室の設置基準の53㎡)
わかば組を少し太短くして すみれ組を少し細長くして 雁行型にしました。
上の写真は、すみれ組の雁行部分を外から見たところ
上の写真は雁行により作られた 通風・採光部分を中から見たところ。3段に窓を配置して 風通し 採光を改善しています。
雁行型にした結果 すみれ組は とても涼しく 明るい保育室となりました。