第7話 うちわで扇げば 何故涼しい?

色々工夫をして保育室に風を取り込み 部屋を涼しくする話題を、しばらく連載させて頂きます。

風が吹けば何故涼しい?

理論検証 飽和水蒸気量について
プロジェクトが始まった初期に 色々な理論を本やネットで調べました。今回は「飽和水蒸気量」について調べました。調べたことを 下記に書きます。

<飽和水蒸気量とは?>

「飽和水蒸気量」は空気中にふくむことが出来る最大限の水蒸気の量です。最大限に水分を含んだ状態が湿度100%です。湿度が100%になると、それ以上 水は蒸発出来ません。気温の高い時に、湿度が高くなると 水分の蒸発がしにくくなって蒸し暑くなってしまいます。

  

<汗をかくと涼しい>

気温が高くなると汗をかきます。汗をかくと 汗が蒸発して 気化する時に熱を奪い(気化熱)皮膚の表面の温度が下がり 涼しく感じます。

  

<湿度が高いと>

汗の蒸発には 湿度も関係していています。 湿度が高いと 汗は蒸発しにくくなります。梅雨の時期とかに 湿度が高くなり 汗を流れるほど一杯かいているのに、蒸し暑いと感じるのは 湿度が高くて汗が蒸発出来ないからです。

  

<うちわで扇ぐと涼しい メカニズム>

●汗が蒸発すると水蒸気(細かい水粒)が皮膚や服の周りを漂います。 体の周りの湿度が高くなり、汗が蒸発できない状態になり 蒸し暑く 体がしんどくなります。

●うちわで扇ぐと 体の周りの湿度の高い空気が 体から離れていきます。 そして新しい普通の湿度の空気が、体の周りにただよいます。 汗が蒸発出来るので 涼しいのです。

  

明らかになった問題点

①気化熱で涼しい室内環境を作るには、室内に常に空気の流れがある必要がある。

②どの方向から風が吹いても 室内に導くことが必要。

    

改善ポイント

①窓の増設、北側採光、地窓の設置、ルーバーの設置、欄間の設置等を工夫する。

②主に保育室を新築する際に上記の事を配慮して設計する

  

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