第4話 紫外線対策
紫外線 昔と今
昔は「紫外線は体内でビタミンDを合成し、骨を丈夫にする」と言われていました。母子手帳には日光浴を推進する記載がありました。
しかし、1998年に母子手帳から「日光浴」の記載は消え、「外気浴」の推奨へと書き換えられています。オゾン層の破壊により紫外線量が増えたりして、紫外線の浴びすぎによるデメリットが問題視されるようになったからです。
子どもの紫外線対策は重要
子どもの皮膚は大人の半分ほどの薄さしかなく、紫外線の影響を受けやすい。
又、子どもは屋外での活動が多く、一生に浴びる紫外線の半分以上を18歳までに浴びてしまいます。子どもの頃から浴びた紫外線の総量が多いほど、将来の悪影響が起こりやすいです。
紫外線の症状(急性)
紫外線を浴びて数時間、数日後に現れる急性の症状として下記があります。
(1)日焼け
(2)紫外線角膜炎
目が紫外線を浴びると、目が充血したり、異物感を感じたりする症状です
(3) 免疫機能の低下
皮膚が紫外線を浴びることで免疫力を低下させ、皮膚の感染症にかかりやすくなります。
紫外線の症状(慢性)
20~30年後に 下記のような、症状が出る場合もあります。
しみ、しわ、良性腫瘍、皮膚癌、眼の白内障等
紫外線の量は
日陰の紫外線 日向の約50%
曇天の紫外線 晴天時の約80%
帽子を被ると 被らない時の約80%
室内の紫外線 野外の約10%
紫外線が多い季節 4 月から 9 月
紫外線が多い時間帯 午前10 時から 午後2時
浄福寺幼稚園の対策
①木陰で遊ぶ
日陰の紫外線は日向の50%
木陰でドッチボール 運動場の70%が木陰です
2歳児いちご組 専用の運動場は100%日陰です。樹齢70年の「ムクの木」の巨木が 園児を守っています。
ホール前の日陰 冬場の野外ステージ 入園式や卒園式もここで行います。
さくら組教室の前にある砂場は 大きな日陰にあります。
ジャングルジム・滑り台・砂場等 総ての遊具は木陰にあります
運動場の中央部分以外は 総て日陰
上の写真は令和3年6月春の運動会 お父さん、お母さん、おじいちゃん、おばあちゃん 応援は日陰で
②室内で遊ぶ
室内の紫外線は野外の約10%
夏休中の預かり保育では暑くて、紫外線も多いので 10時30分~3時20分は 室内で遊んでいます。
又、同じく夏休みの預かり保育では、第2運動場(裏庭)は日陰が第1運動場に比べると少ないので 一日を通して使用していません。
③室内に直射日光を入れない
保育室は 北側に多くの窓を付けています。直射日光は入らず 紫外線をカットしています。
光が入る窓には ルーバーを設置 直射日光を遮って 柔らかい間接光や風を入れます。
④大屋根で紫外線をカット
大きな屋根を付けて テラスを大きな日陰に
⑤行事の時期
秋の運動会は以前は9月下旬におこなっていましたが、20年程前からは 暑さ対策もあり 10月中旬~下旬に行っています。練習も含め 暑さを防ぎや紫外線の量を減らすことが出来ます。
⑥プールは 木陰・テント
プールは肌の露出が多く、水面からの照り返しも有るので要注意
木陰で準備体操
年長組の 大型プールの上には 布製の日よけテント
年少組(左)年中組(右)のプールは木陰に設置しました。
2歳児いちご組のプールも大きな日陰に設置しました。
おわりに一言
西暦2000年に始まった、「幼稚園を涼しくするプロジェクト」の中で 園庭に樹木を植えたり、枝を伸ばして日陰を作って来ました。
運動場の70%が日陰になり 紫外線もかなり少なくすることが出来ました。
しかしながら、 このページを書いている中で、紫外線対策は まだまだ十分でなく、さらに勉強や実践をしていく必要性を感じました。
そこで「幼稚園の紫外線を少なくする プロジェクトSINCE2021」を立ち上げることに致しました。
ホームページでも連載をさせて頂きます。
早速「紫外線 測定器」を発注致しました。又、紫外線に関する書籍も注文しました