第2話 近視を防ぐ
最近 世界的に近視が増加しています。
何故 近視が増加しているのでしょうか?
又、近視を防ぐにはどうしたらいいのでしょうか?
近視の増加
いま、世界中で近視の人が増えています。
とくに、中国、香港、台湾、韓国、日本、シンガポールといった東アジアの国々で近視が急激に増加し、10代の近視の割合は80%以上になっています。
日本でも増加していて 東京の区によれば 小学生で70%が眼鏡を使用しているようです。

上の図は香港、台湾、シンガポール、韓国における 10代の近視の割合 出典:Elie Dolgin(2015)『The Myopia Boom』(Nature)

上の図は、裸眼視力1.0未満の子どもの割合。近視の割合は年々増加しており、低年齢化も進む。(学校保健統計調査、文部科学省)
近視とは?
眼球が楕円形になり 焦点が合わなくなっている状態です

上の図は 通常の眼球と近視の眼球のイメージ図です
通常の眼球の形は「まん丸」です。ピントが合っています。
近視の眼球は「玉子型」に細長くなっています。ピントが合っていません。
近視増加の原因は
●遺伝によるもの
近視は遺伝します
●近くを見すぎることで起こるもの
読書やパソコン、携帯、スマートフォン、などを
長く見続けている生活を送っていると近視が進みやすくなります。
1日2時間の太陽光が 子どもの眼を守る
ヨーロッパを中心に近視を予防する研究も進んでいます。
長年の調査研究の結果、明るさ1000ルクス以上の光をI日2時間以上(週11時間以上)浴びた子どもは、近視になりにくいことが解ってきました。
1000ルクスは室内では無理です。 屋外なら木陰、庇(ひさし)の下、建物の影でも大丈夫です。
室内 300ルクス
窓際 800ルクス
野外日陰 1,000ルクス以上
野外日向 10,000ルクス以上
ヨーロッパの小学校では
お昼ご飯を野外で食べたり 体育の授業を体育館ではなく野外でしたりしています。
それでも1日2時間は無理みたいです。そこで、理科の時間に野外観察を多くと入り入れたり、 社会科の野外研修を少し無理して増やしたりして 1日に2時間を目標にしているようです。
台湾では法律を改正
体育の授業を週150分、屋外で行うことを義務づけ、そのほかの授業なども屋外での実施を推奨。1000ルクス、1日2時間を目標に掲げたのです。
たとえば、植物の種類を学ぶ理科。これまで屋内で行っていた授業も、極力外で行うようにしています。
日本では
日本は世界の中でも この分野の研究が遅れています。
日本は近視の人数すら把握していません。日本でおこなわれている視力検査は 近眼だけでなく乱視の数も入っています。近眼だけを調べるには 眼底の距離を測定する必要があります。
令和1年度も 文部科学省は試験的に 野外で遊ぶ時間を取ろうとしました。ある小学校で建物のと建物の間の 何もない狭い日陰の空間で「遊べ」と言われて、 何もすることが無く 子ども達もこまっていたようです。
文部科学省も令和2年4月より小学校で 本格的に「近視問題」に取り込むと 発表していましたが、 どうやら コロナで話が飛んでしまったみたいです。
浄福寺幼稚園では
開園以来 70年間 「子どもは外で元気に遊ぶのが健康」という考えのもとに 外遊びを大切にしてきました。野外環境を充実させることにより、開園以来70年間、1日2時間の野外の時間をほぼ実現しています。
外で遊べる環境の整備
夏涼しく 冬暖かい 運動場

浄福寺幼稚園には 4m以上の大きな樹木が50本。2~3メートルの木が50本。大きな樹木が沢山あるので、夏は運動場の70%が大きな日陰になります。涼しくて真夏でも運動場で遊べます。また、紫外線から子どもたちの体を守ります。

暖かい幼稚園です。冬になると樹木の葉っぱは落ちて、暖かい日差しが運動場や教室にあたります。 ポカポカ暖かく 真冬でも運動場で遊べます。
魅力的な野外
園舎の東側に移動すると 広大な草原が現れます。第2運動場(裏庭)は45m×20m
第2運動場は全面草原で 充実した自然環境
虫捕りをしたり お花摘みをしたり 自然遊びの宝庫

裏庭にチョウチョ発見 いそげ~~

チョウチョ 捕まえた^^

お花が一杯咲いてるね^^

裏庭でかくれんぼ 土管の中が あやしいよ

ヒマワリのお水やり

ダンゴムシを発見
広大な運動場
第一運動場は40m×30mの大きな砂場です。砂場もありますが全体に沢山の砂を入れています。

大きなお山が出来た^^

ポートボールは 楽しいな^^
ポートボールは バスケットボールを簡単にしたようなスポーツ。最近小学校でも流行っている。

春の小運動会 保護者の皆様は 日陰で観戦
第1運動場は 中央部分以外は 総て木陰です。

運動会 組み立て体操

おしゃべりしながら 木陰で鉄棒

力を合わせて河を造ろう

うんていは楽し^^

秋には 総ての樹木が紅葉

大屋根の日陰で 絵を描こう

手作りの「こいのぼり」をあげよう

令和3年3月の卒業式 コロナ対策もあり 野外で

ジャングルジム 総ての遊具は 木陰にあります

夏場にはミストを40か所設置 涼しいな^^
おわりに一言
浄福寺幼稚園は開園以来 外遊びの環境を整えて 外での自由遊びの時間を十分に取って来ました。
特に西暦2000年からは 幼稚園を涼しくするプロジェクト が始まりました。 保育室内部を涼しくするだけでなしに 運動場も涼しくして、真夏でも外で涼しく遊べる環境を実現しました。
そのことが「幼児の眼の健康」に役立っていることを、最近になって知りました。エアコンだけに頼るのでなくではなく、自然と共に 環境を考えてきて 良かったなと思っています。